「あなたが仰るように、柔道整復師の仕事はとても夢のある仕事だよ。
私もこの仕事を誇りに思っている。
...ただ、それと同時にとても大変な仕事でもあるんだ。」
10月の初旬、まだ夏の暑さが残る日に、私は都内にある整骨院グループでの面接に同席していました。
その日は、今年度柔道整復師の資格取得予定の柔道整復師の学生さんの面接でした。
その方は、将来の目標が明確で、面接ではこれから柔道整復師としてやっていきたいこと、
目指している目標を求人先の先生(以下A先生)へ大変熱く語っておりました。
A先生も「その夢を是非とも応援したい!」と、とても盛り上がった面接でした。
ただ、面接が終わる間際に、A先生から学生さんへ”冒頭のお話”をされました。
”柔道整復師の仕事の魅力だけを伝えるだけが、経営者の仕事ではない。
どれだけ大変な仕事であるかもしっかり分かってもらわないと、何よりこの先働く学生さんがかわいそうだ。”
”人材採用”を何よりも大切にしているA先生のその一言で、
その学生さんはこちらの整骨院グループで働く事を決めたそうです。
さて、今回のテーマは
「柔道整復師の仕事で大変な3つの事」
です。
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東京都内で5院の整骨院を運営するA先生に、私(矢田)が直接ヒアリングしてきた事をお伝えします!
これから柔道整復師の資格を取得する、もしくは取得しようか迷っている。
そんなあなたは、是非ご覧ください。
(柔道整復師を既に取得されている方は、そうそう!とうなずきながら見て下さい笑)
柔道整復師の仕事で大変な事は大きく分けて3つあります。
1つ目の"大変"は『柔道整復師の資格を取得するまで』です。
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柔道整復師の専門学校設立が規制緩和される前、柔道整復師の資格は取りたくても中々取れない資格でした。
『専門学校に入学するまでが非常に難しくて大変なんだ。
柔道整復師の専門学校に入る為に、浪人する人が当たり前だったよ。』
と、A先生は仰っていました。(今では考えられないけどね(笑)とも仰っていました。)
1998年(平成10年)に柔道整復師の専門学校の規制緩和が行われてからというもの、
1998年に14校しかなかった柔道整復師の養成施設は、2013年には100校を超える様になりました。
規制緩和後は、学校数が増加するとともに国家試験受験者数も合格者数も年々増えていきます。
あまりにも受験者が増えていく状況の中、柔道整復師という国家資格の一定水準を保つために、
最近では、国家試験問題や学校の卒業試験が難しくなり、
ある専門学校では一定の学力水準に満たない生徒に対して、
国家試験を受験させない”足切り”が行われている所がでてきたようです。
せっかく柔道整復師の資格取得を目指して入学したのに、国家試験を受けさせてもらえない!
そんな大変な状況にならない様に、日頃の勉強は大切にしてください!
2つ目の"大変"は『柔道整復師の資格を取得してから』です。
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柔道整復師の資格を取得したからといって、「一人前」になれるわけではありません。
ここからが、むしろ柔道整復師として、医療従事者としての旅がスタートするわけです。
整骨院や整形外科、デイサービスにスポーツトレーナー。
色々な就職先がありますが、今回は整骨院を例に取ってお話しします。
整骨院に新卒として就職をしたあなたは、すぐ患者様に治療に入れる訳では有りません。
(もし、すぐ治療に入れたとしても恐らくどうして良いか分からないのではないかと思います。)
まずは”接客”に慣れて頂く為に、受け付け回りや電気の付け替え、書類作成業務等を任されるケースがほとんどです。
そして、空き時間を見つけては先輩や院長先生に手技等を教えて頂き、
昼休みや診療時間後に勉強を率先してやり、スキルアップを図ります。
学び続けて院の定める基準に合格して、ようやく患者様に施術できる様になります。
「何でこんな事をやっているのか?」「こんな事をやりたくて柔道整復師になった訳ではない!」と
葛藤される方は非常に多いですが、誰しもが通る道です。
あなたが、過去にスポーツをやったことがあるなら分かるはずです。
全く練習もしていない選手が、公式試合には出られませんよね?
まずは、基礎を徹底的に練習していきましょう!
手技デビューをした後は、更なる武器を身につけていきます。
テーピングの巻き方や、自費メニューの練習などすることは沢山あります。
2年目、3年目になれば後輩の教育・育成も行っていく必要が有りますし、
さらに経験を積んでいけば分院長や院長へとステップアップし、
人材育成や売上管理、シフト調整、書類作成業務など任される業務は増えていきます。
人によって、このステップアップに時間差があるかもしれませんし、大変と思うかもしれませんが、
あなたの山は、あなたにしか登ることしかできません。一歩ずつ登っていきましょうね!
3つ目の"大変"は『独立開業する』時です。
開業する場所・物件選び、院内の内装を決めてベッドや電療機器などの機材選び、
オープニングスタッフ採用など、今まで培ってきた柔道整復師の”治療”技術だけでなく、
”経営”の技術が必要になってきます。
経営する院が少しずつ大きくなってくると、
「治療家として患者様のために現場第一線で働き続けるのか」
「院がより繁栄していくために、現場から身を引いて経営者として腰を据えるのか」
こちらの二択で迷われる経営者がとても多い様です。
(ここが一番悩むところなんだよ!私にとっては一番大変な時期だったよ。。。とA先生も仰っていました。)
どちらも!!と選び、両立を図る先生もいますが、
やはり二足のわらじではベストのポテンシャルを発揮できないようです。
そうなった時に悩まない様に、今からご自身の柔道整復師の将来像を設計していきましょう。
開業前に、副院長や分院長、雇われ院長等を経験しておくと、”経営”についての知識が有る程度備わりますので、
ご自身でお店を持った時にスムーズに運営が出来るようになります。
資格を取ってすぐ開業!よりも、まずは現場で経験を積んでいく事をオススメします。
いかがだったでしょうか?
柔道整復師のお仕事には魅力も沢山ありますが、大変な事も沢山有ります。
大変な場面に遭遇した時、どう乗り越えるか。
それは、
あなたが”何故柔道整復師の資格を取ろうと思ったのか”
そして、
”将来どんな柔道整復師になりたいのか”
といった原点に振り返ることです。
今、この瞬間から
”何故柔道整復師になったのか。これからどんな柔道整復師になりたいのか”
考え直してみて下さい。
柔道整復師についてのコラム記事はこちらに多数掲載しております。
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