機能訓練指導員として働く
治療家にインタビュー
快復したい利用者さまにとっての
パーソナルな機能訓練指導員と
なるために専門性を突き詰めたい
機能訓練指導員の経験有
ある日のお仕事の流れ(現職)
働き方
現在は水曜日、土曜日の固定休み。
残業はほとんどない働き方です。
機能訓練指導員になったきっかけ
柔道整復師を取得後、整骨院で勤務していましたが、機能訓練指導員として特別養護老人ホームで勤務していた友人に誘われたことがきっかけでした。
整骨院で働く中で、より身体を治す、根本的な治療の経験を多く積みたいと思っていた時期とも重なり、その友人の働く特別養護老人ホーム※で3ヶ月ほど勤務した後、系列のデイサービス※へと異動したのが機能訓練指導員としてのスタートでした。
特別養護老人ホーム(特養):
生活が困難な要介護者が、長期的に入居する施設。24時間体制で介護が行われ、日常生活の支援がメイン。(要介護度3以上)
デイサービス(通所介護):
高齢者が日帰りで利用する介護サービス。自宅に住んでいる方が、日中だけ施設に通い、食事や入浴、リハビリ、レクリエーションを受けることができる。(要支援1~要介護5)
機能訓練指導員になりたての頃に感じたこと
異動したデイサービスでは、機能訓練指導員の仕事内容についての理解が薄く、利用者さまもそのご家族も当然知らないという状況でしたので、機能訓練について丁寧に利用者さま、ご家族だけでなく施設のスタッフにも説明することを心掛けました。
また利用者さまとご家族との間で機能訓練のモチベーションにギャップがあることも多く、そちらも丁寧に説明を重ねていたことが、機能訓練指導員になった当初の記憶として強く印象に残っています。マニュアルも当然ない状況でしたので、利用者さまの既往歴を確認しながら、手探りで機能訓練の計画を立てていました。
現在の具体的な業務内容
現在は特別養護老人ホームで機能訓練指導員として働いています。介護老人保健施設※、デイサービスも併設されており、そちらに機能訓練指導員は在籍していますが、特別養護老人ホームとしては私1名で機能訓練指導員をしています。
平均介護度が4.2ということで、介護度の高い方は居室に伺い機能訓練を実施し、介護度の比較的低い方については集まっていただき、集団で機能訓練をしています。高い方のほうが割合としては多く7~8割の方は居室で実施しています。
廃用性症候群を防ぐ目的などで、関節可動域の機能訓練をすることが多いです。時間は1人10分ほど、可能な方には宿題(トレーニングなど)をお渡しすることもあります。
介護老人保健施設(老健):
医療と介護の両方を必要とする高齢者が、家庭復帰を目指してリハビリを行う施設。医師、看護師、理学療法士などが常駐しており、医療ケアを受けながら機能回復を図る。(要介護1~5)
機能訓練指導員としてのやりがい
私の働いている特別養護老人ホームでは介護度の高い方に対しての経験が積め、また医師も常駐している特別養護老人ホームなので様々な症状についての理解が深まる点が非常にありがたいです。
やりがいと聞かれて特に印象に残っているのは、デイサービス時代に片麻痺のある方の機能訓練を通して、その方が2万歩歩いても問題なくなった時を思い出します。
また、前職のデイサービス時代に機能訓練を担当していた方から、退職後に歩けるようになったと手紙をいただいたこともあります。自分がしたかった根本的な治療に関われている実感があり、良くなることが目に見えることがやりがいだと思います。
柔道整復師の経験で活かせていると思うこと
柔道整復師として身に着けた専門知識が、日々の業務において非常に活かされています。というのも利用者さまに痛みの理由を説明することが多く、理由が明確になることで安心し、機能訓練について納得していただけます。
科目で言えば、解剖学・生理学・運動学・一般臨床学などの知識はいつも活用しているイメージです。
今後目指していること
快復への想いがある利用者さまたちの、よりパーソナルな機能訓練を突き詰めていきたいです。
同じ想いを持った同志とも繋がり、より自分自身を磨いていきたいと思っています。
機能訓練指導員を目指す方に伝えたいこと
施設によっては、書類(個別機能訓練計画書※)を書いてくれれば大丈夫。というようなスタンスで機能訓練指導員を設置している施設もあります。機能訓練指導員としての専門性への理解があり、意見をくみ取って貰える環境なのか、スタッフ間の連携が十分かはぜひ確認して欲しいです。
個別機能訓練計画書:
高齢者や要介護者に対して機能訓練を行う際に作成されるもの。利用者1人ひとりの身体機能や生活状況に合わせて、最適な訓練内容を定め、目標達成に向けた具体的なアプローチを記載する。