臨床検査技師(MT)として働いておられる方の中には、給与のアップや転職の際に有利になるよう、スキルアップすることを考えている方も多いのではないでしょうか。
MTとして職場内で技術を磨くことも重要ですが、資格を取ることもスキルアップの有効な手段となります。とはいえ、どのような資格を取得すればよいのでしょうか。
今回は、キルアップのためにいろいろと資格を検討していて、何かいいものがないか知りたいという方のためにおすすめの資格について詳しくご紹介していきます。
目次
1. 資格はスキルアップの大きな強み
臨床検査技師(MT)の仕事は現場で覚えることがたくさんあるので、就職して1~2年目は検査機器の使い方や患者さんとの接し方などを学ぶ必要があります。
たいていの場合、3年ほどで一通り業務をこなせるようになって気持ちの余裕が出てくるので、資格を取ってスキルアップを目指すことができるようになるでしょう。
その結果としてリーダー職に昇格する機会が広がったり、転職する際の強力な武器にもなったりするので、ぜひ積極的に資格を取ることを目指しましょう。
MTの場合、女性の占める割合は7割と言われていますが、結婚や出産をきっかけに夜勤や休日出勤がない職場に転職する際にも、資格があれば自分の希望に沿った職場を選びやすくなります。
2. 臨床検査技師におすすめの資格
この章では、臨床検査技師(MT)のおすすめの資格をご紹介したいと思います。なお、ここでは「臨床検査技師を対象とする資格認定制度」以外のものについて説明します。
①.超音波検査士
日本超音波医学会の主宰する資格で、年に1回書類審査と筆記試験が受ける必要があります。国家資格ではありませんが、エコー検査のスペシャリストであることを証明する資格と言えます。
この資格を持っていないとしても超音波検査を行えますが、これがあれば生理機能検査の経験が豊富である証明になるので、就職・転職が有利になるほか、給料がアップする可能性があります。
②.健康運動指導士
運動指導を担う専門家として設けられた民間資格で、運動プログラムを作成したり、実際に指導したりするのが仕事です。健康運動指導士養成講習会を修了すれば資格を取ることができます。
この資格を取るなら、資格手当などが期待できるほか、スポーツジムのインストラクターとして運動指導を行うなど、キャリアの選択肢が広がるといったメリットもあります。
③.心臓リハビリテーション指導士
心疾患を持つ患者さんにリハビリテーションを行い、疾患の治療や再発予防、QOL(生活の質)向上に貢献することができる資格です。資格取得のためには講習会への参加と筆記試験があります。
MTがこの資格を取得した場合、心臓リハビリテーションのチームに加わって、心機能検査を把握できるという強みを活かして情報提供などを行うことができます。
④.第一種・第二種消化器内視鏡技師
内視鏡に対する専門的な知識や技能を持っていることを証明するものです。これは日本消化器内視鏡技師会の認定資格になりますが、書類審査と学術試験に合格することで取ることができます。
仕事内容としては内視鏡を使用する医師の補助ですが、すでに内視鏡に関する部署に所属しているMTの場合は業務の幅が広がる可能性があるほか、転職のときの強みにもなります。
⑤.認定サイトメトリー技術者
サイトメトリーとは細胞の特徴を測定する技術のことで、認定サイトメトリー技術者の資格はこのサイトメトリーに関する知識と技術をより高めることを目指して設けられています。
細胞検査に携わるMTにとっては臨床検査の質を向上させることに役立つほか、資格手当をもらえたり、転職のときにも有利になったりすることが考えられます。
⑥.日本糖尿病療養指導士
糖尿病治療における生活指導のエキスパートであることを示すものです。講習会を受講した後、筆記試験と糖尿病療養指導自験例の記録があり、合格すると資格をもらうことができます。
病院では、糖尿病患者さんに対する指導や説明を行えるほか、MTとしての知識を活かして自己血糖測定機の保守点検を行い、検査内容や検査データの見方などの指導もすることができます。
⑦.CRC認定資格
この資格は治験コーディネーター(CRC)になるために必須の資格というわけではありませんが、CRCとしての質を保証する資格と言えます。年に1回ある筆記試験を受ける必要があります。
この資格があれば治験施設支援機関などで昇進するのに役立つことや資格手当を支給してもらえるといったメリットがあります。CRCになった場合にはぜひ検討したい資格と言えます。