臨床検査技師(MT)としての就職・転職先の一つとして、医療機器メーカーがあります。多くの場合、「アプリケーションスペシャリスト」と呼ばれますが、営業職のサポートがおもな仕事になります。
これまで自分が検査で使用してきた医療機器についてプレゼンをしたり、機器を購入した医療機関をサポートしたりするので、MTとしての経験を活かすことができる仕事と言えます。
今回は、そんな医療機器メーカーで働くことを考えているMTの方に、具体的な仕事内容や病院などとの違い、どのような人に向いているのかといったことを詳しく説明していきます。
予防医療の高まりなどによって、今後も需要が拡大すると言われている医療機器メーカー業界ですが、転職や就職に興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
1.医療機器メーカーでの1日
最初に、医療機器メーカーで働くと、具体的にどのようなことを行って1日を過ごすことになるのか1例をご紹介します。
1日に訪問する医療機関は1~3件ほどですが、メーカーによっては全国の病院や施設に出張することもあり、出張が月の半分以上を占めるケースもあります。
9:00~10:00 | ・オフィスに出社し、メールと1日の予定の確認 ・製品のプレゼン内容の確認 |
10:00~11:00 | ・医療機関に移動 |
11:00~12:00 | ・導入を検討しているお客様に製品説明 ・製品を導入したお客様に使用方法の説明 ・装置の設定やサポートを行う |
12:00~13:00 | 昼食 |
13:00~16:00 | ・別の医療機関で製品説明のプレゼン |
16:00~17:00 | 帰社 |
17:00~18:30 | ・報告書の作成と翌日のプレゼン資料の作成 ・お客様からのメールや電話対応 退社 |
2.医療機器メーカーでの仕事内容
臨床検査技師(MT)が医療機器メーカーで働く場合、おもな仕事は医療機関に出向いて自社製品の説明を行ったり、営業職のサポートを行ったりすることです。
とくに定期的に既存顧客である医療機関を訪問して、機器の使い方を説明したり、フォローを行ったりすることは重要で、MTとしての経験が活かせる場面でもあります。
取り扱う製品はメーカーによって異なりますが、応募する時点で分かっていることが多いため、もともと自身が臨床現場で得意としていた機器を選ぶケースも多いです。
また、医療機器メーカーには国内のメーカーだけでなく、外資系のメーカーもあり、転職先が外資系の場合には、英語力が必須となるケースも少なくありません。
3.病院や他施設との違い
医療機器メーカーで働く場合、病院やほかの施設で働くのとは、どのような違いがあるでしょうか。最初に給与や待遇について考えてみましょう。
医療機器メーカーで働いている臨床検査技師(MT)の場合、医療機関で働くよりも給与水準は高いと言われています。また、日勤のみで、年間休日も平均120日と福利厚生も充実しています。
ほかにもメリットとしては最新の医療機器の情報を得ることができたり、一つの医療機関にとどまらなかったりするため、仕事の視野が広がることなどを挙げることができます。
デメリットとしては、医療機関に勤務する場合よりも人と接する機会や出張などが多いため、高いコミュニケーション能力が求められることや、体力やフットワークの軽さが必要なことです。
4.医療機器メーカーがおすすめな人
最後に、医療機器メーカーで働くことがおすすめなのはどのような人かをご紹介したいと思います。
①.医療機器などの機械が好きな人
医療機器メーカーで臨床検査技師(MT)が働く場合、おもに医療機器の販売やサポートを行うため、医療機器や機械に興味がある人に向いている仕事です。
また、単に医療機器に詳しいだけでなく、持っている知識を相手にわかりやすく説明する能力なども求められるので、人に物事を教えることが得意な方にもおすすめです。
②.人と話すことが好きな人
おもな仕事内容としては、営業のサポート業務ですが、製品についての説明などのプレゼンテーション能力が求められるので、人と話すのが好きな人におすすめです。
担当案件は基本的に職場の意向によって決まり、かかわる相手も流動的なのでコミュニケーションスキルが高い人や、さまざまな人に接するのが好きな人に向いていると言えるでしょう。
③.体力やフットワークに自信がある人
複数の医療機関に販売しているメーカーであれば、1日に何件も病院やクリニックに移動する必要があります。また、販売先によっては日本全国に出張しなければならないこともあります。
そのため、体力やフットワークに自信がある人におすすめです。移動するために車の運転が求められることもありますが、メーカーによっては営業の方が運転してくれるところもあります。