臨床検査技師(MT)の就職・転職先としては検診センターがあります。
検診センターは、医療機関内に併設されと、独立したものがあります。近年、社会的に意識が高まっている予防医療の分野で活躍できる職場です。
今回は、MTの転職先の一つである「検診センター」をテーマに、どのような仕事内容かということや病院との違い、どのような人におすすめの職場と言えるかについて詳しく解説していきます。
目次
1. 検診センターでの1日
検診センターで働く場合、どのような1日を過ごすことになるでしょうか。ここでは、一般的な勤務先の1日のスケジュールの例をお伝えしたいと思います。
8:30~9:00 | 出社して、検査機器の立ち上げなど準備を行う |
9:00~13:00 | 検診センターに来た受診者の生理機能検査を行う |
13:00~14:00 | 昼食 |
14:00~17:00 | ・受診者の生理機能検査を行う ・より詳しい検体検査を行う場合は、臨床検査会社に発注 ・検査結果の事務や発送業務を行う |
17:30 | 帰社 |
2. 検診センターでの仕事内容
健診センターでは各種の健康診断や人間ドック、PET健診といった生理機能検査をメインに行っています。
身長・体重測定や視力・聴力検査、血圧測定といった基本的な検査に加え、心電図などの生理機能検査や採血、超音波検査などがあります。
ローテーションしながら検査を行うというよりも、それぞれの検査の担当制で業務を行っているケースが多く、できるだけ効率的にたくさんの受診者に対応していく必要があります。
検診センターの大切な目的の一つは「病気だと思っていない人の病気を早期に発見する」ことです。
病院と違って、桁違いの人数を検査することになるため、多くの人の病気を早期に発見することにやりがいを感じることができます。また、生理機能検査が行いたいと思っている方にとっても、やりがいは大きいでしょう。
3. 病院との違い
次に健診センターでの仕事は、病院で働く場合とどのように異なるかを見ていきましょう。働き方の違いや、給与の違いなどに注目してみたいと思います。
働き方の違い
病院では日勤や夜勤があるケースも珍しくありませんが、健診センターでは日勤だけの場合が多いです。早番などもありますが、その分早めに帰宅することが可能です。
また、健康診断の受診者は午前中に集中することが多いため、午後は事務作業などを行うといった流れになることが多いと言えます。
職場でのプレッシャーやスキルアップの違い
健診に来る方は健常者が多いため、患者さんが急変するといったことは少なく、精神的なプレッシャーは病院に比べると少ないことが特徴です。
ただし、検体検査は行わないほか、経験できる業務の幅も狭いことから、幅広いスキルを手にしていきたいと考えている方には向いていないかもしれません。
給与の違い
病院と比べると、比較的給与水準は高いと言われていますが、夜勤がないため夜勤手当がありませんので、給与に関しては手当なども含めて総合的に考える必要があるでしょう。
また、超音波(エコー)検査の経験がある方は、給与の面で優遇されるケースが多いと言えます。
4. 検診センターがおすすめな人
ここまで考えてきた検診センターの特徴や仕事内容を踏まえると、どのような人におすすめの職場と言えるでしょうか。検診センターがおすすめな人をご紹介します。
生理機能検査や採血をおもに行いたい人
生理機能検査や採血がおもな仕事内容になるので、検体の検査よりも生理機能検査に興味がある方におすすめです。
ただし、施設によってさまざまな検査をローテーションで行なうところだけでなく、担当制のところもあるので、必ずしも自分が行いたい検査が行えるとは限りらない点に注意が必要です。
患者さんとコミュニケーションを取りながら働きたい人
病院の検査室の中だけで働くのとは違って、患者さんとより近い距離で接することになります。
そのため、検査室にこもって検体の検査ばかりするよりも、患者さんと直接話をしたりしながら働きたいと考えている方にもおすすめの職場です。
ライフワークバランスを考えて働きたい人
夜勤はないケースが多いため、日勤だけで働きたいと考えている方も向いていると言えます。
また、土日休みというケースも多いので、ライフワークバランスを重視したいという方にもおすすめです。